非加熱はちみつ
海外産はちみつのほとんどが日本で加熱される
こんにちは。
まじめな蜂蜜です。
前回の記事では、国産はちみつを加熱する理由として多い、「フィルターにかけるため」をお伝えしました。
ざっくり説明すると、
「はちみつをフィルターに通りやすくするため、加熱してさらさらにしてしまう」という内容です。
前回、前々回でお伝えしたのは、はちみつを採る工程における加熱の話。今回からは本来のはちみつの採り方をしているにもかかわらず、熱が加わってしまう場合の話をお伝えします。
特に海外のはちみつを購入するときに気をつけたい話です。
まずは「結晶したはちみつを瓶に移し変えるため」。
では、見てゆきましょう。
熱を加えていいのは先進国で日本だけ
さて、はちみつ界における日本の立ち位置がどんな状態かご存知でしょうか?
やはり日本産は世界でもトップクラス?
安心安全?
クオリティが高い?
やっぱりポジティブな意見が多いと思います。「国産=安心安全」というのが私たちの中にある常識。
ですが、実は全くの逆。
日本におけるはちみつの基準はかなり低いのです。
代表的な基準の低さが加熱の有無。ヨーロッパでは「熱を加えたはちみつは、はちみつではない」と言われており、よく国産との比較に出されるお隣の国ですら自国用のはちみつは、加熱してしまうとはちみつとして売れなくなります。
海外産はちみつの加熱は「結晶化」が理由
「え、じゃあ海外産のものを選んだらいいの?」
というと、そうでもありません。なぜなら、海外産のはちみつは日本で商品化されるまでにある瓶詰めの工程で加熱されてしまうことがよくあるからです。
その鍵を握るのが、はちみつの結晶化。
まずは結晶化の仕組みについて知っておきましょう。
「買っておいたはちみつが知らないうちに固まってしまった」なんてことありませんか?
あれは、はちみつの主成分の1つであるブドウ糖が原因で起きる「結晶化」という現象。
はちみつは、気温が14度~15度くらいのときに、10度ほどの激しい気温差があると固まりやすくなります。(冷蔵庫に保管すると気温の上下で固まりやすいので、はちみつは常温保存がおすすめ)
海上ははちみつの結晶化を促す
これと同じ現象が海外産はちみつを輸入する際にも起きています。
海外のはちみつを日本まで運ぶ主な手段は船です。海の上は日中はグッと気温が上がり、夜はガクッと気温が下がる、極端な温度変化があります。
あるデータによれば、一日の中で30度近くの気温差が生じることもあるんだとか。
冷蔵庫に出し入れするよりも大きな温度変化があるのです。当然のことながら、はちみつは固まってしまいます。
100度×3日間 はちみつを加熱し瓶詰め
じゃあ固まったはちみつをどうやって瓶につめるのか?
そうです。ここで熱を加えるのです。
ドラム缶の中心にあるはちみつまで溶けるように、100度くらいの温風庫のなかに3日ほどいれて、どろどろに溶かしてから瓶詰めします。
当然、はちみつの中の酵素は死活。味にはエグミが出て、せっかくのはちみつの風味は飛んでしまいます。
このように海外で採れた時点では最高品質のはちみつでも、日本に届いて商品化された瞬間から、本来のはちみつとかけ離れてしまうことがあります。
あなたがこだわって海外産のオーガニックはちみつを選んでいたとしても、その工程で熱を加えられ本物でなくなっている可能性は十分にあるのです。
以上、はちみつに熱を加える理由の3つ目、「結晶したはちみつを瓶詰めするため」の内容でした。
「こっちで瓶詰めするのが駄目なら海外で瓶詰めしたものを選べばいいんじゃないの?」
と思うかもしれません。
確かにそんな海外産はちみつもあります。ですが、それはそれで別の問題があるのです。次回の記事は、その問題についてお伝えします。
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