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2018年5月

海外産はちみつのほとんどが日本で加熱される

こんにちは。
まじめな蜂蜜です。
 
前回の記事では、国産はちみつを加熱する理由として多い、「フィルターにかけるため」をお伝えしました。
 
ざっくり説明すると、
「はちみつをフィルターに通りやすくするため、加熱してさらさらにしてしまう」という内容です。
 
前回、前々回でお伝えしたのは、はちみつを採る工程における加熱の話。今回からは本来のはちみつの採り方をしているにもかかわらず、熱が加わってしまう場合の話をお伝えします。
 
特に海外のはちみつを購入するときに気をつけたい話です。
 
まずは「結晶したはちみつを瓶に移し変えるため」。
では、見てゆきましょう。

熱を加えていいのは先進国で日本だけ

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さて、はちみつ界における日本の立ち位置がどんな状態かご存知でしょうか?
 
やはり日本産は世界でもトップクラス?
安心安全?
クオリティが高い?
 
やっぱりポジティブな意見が多いと思います。「国産=安心安全」というのが私たちの中にある常識。
 
ですが、実は全くの逆。
日本におけるはちみつの基準はかなり低いのです。
 
代表的な基準の低さが加熱の有無。ヨーロッパでは「熱を加えたはちみつは、はちみつではない」と言われており、よく国産との比較に出されるお隣の国ですら自国用のはちみつは、加熱してしまうとはちみつとして売れなくなります。

海外産はちみつの加熱は「結晶化」が理由

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「え、じゃあ海外産のものを選んだらいいの?」
 
というと、そうでもありません。なぜなら、海外産のはちみつは日本で商品化されるまでにある瓶詰めの工程で加熱されてしまうことがよくあるからです。
 
その鍵を握るのが、はちみつの結晶化。
まずは結晶化の仕組みについて知っておきましょう。
 
「買っておいたはちみつが知らないうちに固まってしまった」なんてことありませんか?
 
あれは、はちみつの主成分の1つであるブドウ糖が原因で起きる「結晶化」という現象。
 
はちみつは、気温が14度~15度くらいのときに、10度ほどの激しい気温差があると固まりやすくなります。(冷蔵庫に保管すると気温の上下で固まりやすいので、はちみつは常温保存がおすすめ)

海上ははちみつの結晶化を促す

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これと同じ現象が海外産はちみつを輸入する際にも起きています。
 
海外のはちみつを日本まで運ぶ主な手段は船です。海の上は日中はグッと気温が上がり、夜はガクッと気温が下がる、極端な温度変化があります。
 
あるデータによれば、一日の中で30度近くの気温差が生じることもあるんだとか。
 
冷蔵庫に出し入れするよりも大きな温度変化があるのです。当然のことながら、はちみつは固まってしまいます。

100度×3日間 はちみつを加熱し瓶詰め

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じゃあ固まったはちみつをどうやって瓶につめるのか?
 
そうです。ここで熱を加えるのです。
 
ドラム缶の中心にあるはちみつまで溶けるように、100度くらいの温風庫のなかに3日ほどいれて、どろどろに溶かしてから瓶詰めします。
 
当然、はちみつの中の酵素は死活。味にはエグミが出て、せっかくのはちみつの風味は飛んでしまいます。
 
このように海外で採れた時点では最高品質のはちみつでも、日本に届いて商品化された瞬間から、本来のはちみつとかけ離れてしまうことがあります。
 
あなたがこだわって海外産のオーガニックはちみつを選んでいたとしても、その工程で熱を加えられ本物でなくなっている可能性は十分にあるのです。
 
以上、はちみつに熱を加える理由の3つ目、「結晶したはちみつを瓶詰めするため」の内容でした。
 
「こっちで瓶詰めするのが駄目なら海外で瓶詰めしたものを選べばいいんじゃないの?」
と思うかもしれません。
 
確かにそんな海外産はちみつもあります。ですが、それはそれで別の問題があるのです。次回の記事は、その問題についてお伝えします。
 
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はちみつを加熱する理由

こんにちは。
まじめな蜂蜜です。
 
「非加熱のはちみつって何なの?」
「普通のはちみつって加熱しているの?」
 
非加熱のはちみつを販売していますと、そういった質問をよく伺います。
 
実はその通りで、日本にある99%のはちみつは加熱しているという話があるのです。
 
そこで今回から数回に分けて、はちみつを加熱する理由、加熱したはちみつと非加熱のはちみつの違いを説明してゆきます。
 

加熱していないのが本当のはちみつ

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まず最初にお伝えしたいのは、熱を加えていないのが本当のはちみつであるということです。
 
はちみつは熱を加えてしまいますと、風味は飛び、エグミが出てきます。はちみつを食べたときに喉の奥に引っかかるような感じがしたことありませんか?あれが熱を加えたはちみつ独特のエグミです。
 
また、栄養面で見ても酵素が死活してしまい、はちみつ本来の栄養を受け取ることができなくなってしまいます。
 

はちみつを加熱する4つの理由

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では、なぜはちみつを加熱してしまうのでしょうか?
 
よく「殺菌のためじゃないの?」と聞かれます。
しかし、本当のところは「殺菌のため」ではなく「コストを落とすため」なのです。
 
加熱する理由は以下の4つ。
 
・完熟を待たずに採ってしまうため
・フィルターに通しやすくするため
・輸入品を瓶詰めしやすくするため
・輸送の際に赤道を通るため
 
今回は、1つ目の「完熟を待たずに採ってしまうため」を説明してゆきます。
 

はちみつができるまで

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「完熟を待たずに採ってしまう」
この理由を説明するために、まずはちみつが完成するまでの工程を見てゆきましょう。
 
1. ミツバチが花蜜を集める
2. 巣の入り口で内勤のミツバチに口移しで花蜜を渡す
3. 花蜜を貯蔵庫へ移す
4. 水分を飛ばす
5. 蜜蓋をして完成
 
重要なのは4つ目の工程の「羽ばたいて水分を飛ばす」。
 
3日半から4日、ミツバチが自らの羽を羽ばたかせて、これ以上水分が飛ばないという状態まで花蜜から水分を抜いてゆきます。そして水分が飛びきったら完成です。
 
この状態を「完熟」と言います。(「完熟はちみつ」というワードを目にしたことはありませんか?あれは「完全に水分が飛びきったはちみつ」という意味なのです。)
 
ちなみに、はちみつは糖度の最低値が決まっています(日本だと糖度78度)。この基準まで水分が飛ばなければ「はちみつ」は呼べません。
 

はちみつを加熱するのは効率よく採るのため

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養蜂家にとって悩ましい問題がひとつに花が咲く期間が短いというものがあります。。はちみつの原料である花は常に咲いているわけではないということです。花によっては1週間ほどで散ってしまいます。
 
そこでコストを落とすためできる限り多くの量のはちみつを採ろうと、糖度が基準に達する前に採ってしまうのです。
 
しかし、そのままでははちみつとして販売することができません。
 
このときに人工的に熱を加えて、基準である糖度に達するまで水分を飛ばしてしまうのです。水分が飛んでしまうレベルでの熱を加えるので、当然、はちみつが耐えられる温度を軽く越してしまいます。
 
こうして完成した加熱されたはちみつは、味や風味は本来のはちみつとは違い、エグミが出てのどの奥にひっかかる嫌な感じがあるのが特徴。
 
この手法をよく使っているのは、日本のはちみつ市場を70%以上を占める国の蜂蜜。「安かろう悪かろう」の言葉通り、安い蜂蜜には安いなりの理由があるのです。
 

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